V6に恋した26歳の備忘録

突然V6沼に落ちてからの心の叫びを、思い出した順に綴ります。自分のための備忘録。

V6は完成しない

 

 

2021年11月1日。

 

26年間走り続けたV6の、最後の活動の日。

 

 

 

この文章を書いている11月2日現在は、V6のいない世界1日目である。

 

昨夜散々泣いて、目を腫らしているのは私だけではないだろう。

 

最高のライブだった。

最後だと誰もが理解しているのだから、もっと感傷的な、演者ごと涙ながらのライブになってもおかしくはなかったが、「楽しいね」と笑顔で歌い踊るV6。

V6の面々が目を潤ませたのはほんのひと時で、1人たりと涙を見せることはなかった。

全員が、最後まで笑顔であった。

 

 

思えば20周年の時も。

なんならV6を泣かせてやろうと意気込んでいたのはファンか、スタッフか。

リボンシャワーを浴びて目を潤ませたV6だったが、泣くまいと、涙を幸せと感謝の笑顔に変換し、はしゃいだV6の姿に、泣かされたのはファンの方であった。

 

おそらく、「ライブでは決して泣かない」と、V6の6人の中で決意があったのだろう。

 

"涙より笑顔を"

 

デビュー当時よりネタにしながら6人が語り継いできた「楽しもう」というV6の約束を、彼らは最後まで守り抜いてみせたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

私は解散の日を迎えるのが怖くもあり、楽しみでもあった。

 

今後V6としての活動がないことはどうしても悲しい。

喪失感はとても語れたものではない。

 

 

しかし、私は、発表当初から、解散という事実そのものを、割と前向きに考えていた。

 

これは私の癖なのだが、なにか人やキャラクター、コンテンツを好きになった際、「終わり」について考えてしまう。

 

それは、「終わりよければ全てよし」と名言があるように、『最後の印象』によって、そのコンテンツを好きだった期間の感情まで塗りつぶされてしまうような気がするからだ。

 

 

特に、それが生きている人間ならば。

それが、「アイドル」という特殊な存在なら。

どの地点が最後となるかは、人それぞれであろう。

 

 

しかしV6は、残酷にも明確に「終わり」を突きつけてきた。

彼らは、最後の日に向けて、最高の作品を作り上げると言ってくれた。

それを、どうか見届けてほしいと。

 

V6を最高の宝物にする。

それを、綺麗なまま、大切に宝箱にしまってほしいと。

 

それが、私には、どうしようもなく嬉しかったのだ。

 

 

 

 

26年間、色々なことがあっただろう。

全員が最初から仲良しだったわけではない。

実力も人気もバラバラだった。

グループとしての活動が少ない時期もあった。

個人でそれぞれに実力をつけた。

 

 

だけど、V6に戻ってきた。

「この6人で出来ること」を目指して、貪欲に進化を続けた。

常に新しいことを。

更なる進化を。

ついてきてくれるファンに、新しい景色を。

 

6人はずっとバラバラである。

だけど、V6とは、6人で1つである。

バラバラな個性を1つにする。

それが、V6との最大の武器となった。

 

この日と決めた最後の瞬間に向けて。

6人が1つになって、同じ目標に向かって進化を続ける。

 

6人が常に上を向き、更に上へと、もっと進化をと望んでいる。

 

 

最後のコンサートも、実にV6らしい内容であった。

「愛なんだ」や「WAになっておどろう」の印象しか知らない人がこれをみていたら、きっと驚いただろう。

「知らないV6がいる」と。

 

それが、V6である。

私達に、常に新しい景色を見せてくれている。

 

配信では、6人全員からコメントがあったが、ファンからのサプライズにと応えるその時まで、そんなつもりはなかったという。

井ノ原さんがV6代表としてファンに感謝を述べ、全員で歌で気持ちを伝える。

アンコールは1回。

ファンとスタッフからのサプライズがあるまで、それは変わらなかった。

全公演が、最後のつもりで、全力で思いを伝えてくれていた。

 

個人的には、最後だけ全員でコメントしたのは、とても良い流れだと思っている。

V6の中には、あまりお喋りが得意でない人もいるから。

用意してきたのではなく、素直に語ったその気持ちは、ファンにとって最も大切なものとなった。

 

 

最後の公演を終えた後も。

ファンの集う場として解放されたバーチャル空間「V-Land」にて、最後の映像作品がお披露目された。

圧巻のダンスパフォーマンスに映像演出。

最後の活動を終えてもまだ、見たことのない新しいV6がそこにいた。

まだまだ進化するV6の可能性を見せつけ、余韻に浸るファンを残して、V6は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

こんなにも最高の「終わり」があるだろうか。

 

V6という宝物を、誰より考えて、誰より愛していたのは、V6当人達に他ならない。

 

そんなV6が演出した、V6の最後。

 

 

 

 

V6は完結した。

しかし、V6は完成しない。

 

V6とは、常に進化し続けるもの。

その可能性は無限大である。

 

 

【V6 20th ANNIVERSARY ~Timeless~】

 

 

2015年6月20日

グランドプリンスホテル新高輪 飛天。

 

 

初めてV6と生で会うことができた日。

今にして思えば、私にとっては転機となる出来事があった。

 

 

まず断っておくが、現在の私は26歳、堕ちるところまで堕ちた坂本担の女である。

それはもうガチ恋である。

 

 

しかし、V6にハマりたてであり、当時20歳だった私は岡田担を名乗っていた。

実際に岡田くんが好きだったし、何よりV6を好きになったキッカケが岡田くんだったので、自然な流れと言えよう。

岡田くんを好きになったキッカケや、そこから坂本担を名乗るまでの経緯は、長いので別の機会に綴ることとする。

 

 

少しおかしな話になるのだが。

当時の私は、既に坂本くんの魅力に気付いていたが、「自分を岡田担と思い込んでいる坂本担」という大変意味の分からない状態であった。

おそらく、最初に好きになった岡田くんより坂本くんが気になっているという現象を、浮気のようで認めたくなかったのだと思う。

一体誰に対して意地を張っているのか。

全くもって意味のない行為であるが、当時の私は至って真剣であった。

 

 

V6全員が好き。箱推し。

だけど、個人としては「岡田担」。

この時点での私は、このスタンスを変えるつもりはなかった。

 

 

 

 

本編

 

V6のファンになってすぐ。

初めて購入したV6のCDが、今回のイベントへ参加するキッカケとなる、20周年の記念シングル「Timeless」であった。

封入されたシリアルコードでイベントの抽選に応募できたのだが、まさか1枚だけ購入した通常盤の応募だけで当選するなどとは夢にも思っていなかったのだ。

(後に初回盤も買い足したが、応募期日を過ぎた後のことである)

 

 

ジャニーズイベントへの応募など初めてだった私は、「まさか当たりはしないと思うけど、もし当たったらどうしよう、1人で行くの勇気ないな、お母さんついてきて!同行者に設定しとくね!」と前向きなのか後ろ向きなのか分からない応募の仕方をしていた。

メールで当選の知らせを受け、まさかの出来事に発狂すると同時に、強制的に母も同行することが決定してしまったのだ。

 

 

 

ちなみに母は昔、光GENJIのファンだった時期がありV6のことも人並みに知っている。

坂本くんには同い年ということもあり応援したい気持ちがあるとのこと。

だが近年はジャニーズから離れており、突然ジャニーズイベントへの出席が決定し大変困惑していた。

しかし母はノリが良いので、行くと決まればノリノリだったのである。

(今思えば、母の席のために他のファンが落選したかもしれないので、大変申し訳ないことをしていた。母も存分に楽しんでいた様子なので許していただきたい。)

 

 

 

 

イベント内容はSUPER Very best 初回限定盤Aにて映像で残されているので割愛する。

 

ちなみにだが、このイベントの際、事前にV6本人が登場するとは一言も告知がなかった。

 

 

それどころか、どんな内容のイベントなのか、一切の情報がなかった。

(もしかしたら私が見逃しただけかもしれないが)

 

イベントに応募しておいて、なにを見に来たのか、把握していなかったのである。

 

 

もしかしてV6本人に会えないのでは、なんて心配は微塵もしていなかったが、実際にイベントが開始してみると、なんと当時としては最先端技術であろう、ホログラムライブが開始したのである。

 

 

(へえ〜!!私はこれを見に来たのか!!)笑

 

と、思った。

 

 

同時に、

 

「あれ、本人じゃない?!」

 

「実物は出てこないの?!?!」

 

と、ここで初めて心配したわけである。

 

 

映像をお持ちの方はぜひご確認いただきたいのだが、冒頭のホログラム映像を見たファンのざわめきが記録されている。

 

あれは、最先端技術を見た驚きではない。

 

待ち焦がれたV6がニセモノであったことへの困惑である。笑

 

 

「ニセモノだけど、この映像はスゲー!」という、カオスな感情でざわつく中、後半でホログラムと共にV6本人が登場し、「良かった!!本物だ!!!」と歓喜したのである。

 

 

(後に、このイベントの記事が掲載された雑誌を購入したのだが「ホログラムライブを見に来たファンの前に、V6本人がサプライズ登場」のような書かれ方をしていて爆笑した覚えがある。)

 

 

 

 

何はともあれ、初めてのイベントはとても楽しかった。

 

席は後方だが、目を凝らせば表情も分かる程度の距離感。

 

初めて生で見るV6に大興奮していた。

 

 

 

ホログラムで空中にV6のロゴを浮かび上がらせた演出を解説する健くんが、「すごいでしょ!これスクリーンに映ってるんじゃないんだよ!」と、ロゴマークの後ろに回り込んでブンブンと手を振っていた姿があまりに可愛らしかったことは永遠に語り継いでいきたい。

 

年上男性なのにあんなにかわいいとは何事か。

 

 

 

 

初披露の「此処から」の歌唱中、スツールに座った岡田くんが、背後のスクリーンに表示された歌詞を見つめながら歌っていた姿が印象に残っている。

 

「まさか歌詞を覚えていないのか」と思わなくはなかったがさすがにそんなはずはないので、おそらく岡田くんは歌詞の意味を噛み締めながら歌っていたのだと推測するが、そのためにお客さんに背を向けてしまっているのだから、実にマイペースな末っ子ぶりに微笑ましくなった。

 

 

 

 

そんな中、歌う6人をひとりひとり見つめていて、ふと坂本くんを目に留めた。

 

スツールに腰掛け脚を伸ばして、少し背を丸めてマイクを握り、リラックスした様子で朗々と歌う姿。

 

初めて生で聴く圧巻の歌声。

 

その姿を目にして、はっきりと動揺したことを覚えている。

 

正体の分からない、謎の感情に襲われて、罪悪感のようなものを覚えて目を逸らした。

 

その感情の意味を考えないようにし、「私は岡田担」と自身に言い聞かせていた。

 

 

 

 

 

書きながら自分で思う。

 

 

もうそれ恋やん。

 

めっちゃ好きやん。

 

岡田担なのに坂本くんにトキめいて罪悪感覚えてるやん。

 

素直に認めたらいいのに、何目線逸らしてんのもったいない。

 

 

 

何故か頑なに「私の1番は岡田くん」と思い込もうとしていた当時の私は、1人で無駄な抵抗をしていた。

だというのに、脳裏に焼つくのは、スツールから投げ出された坂本くんの脚の長さ。さすが25メートル

目を逸らそうと頑張っているのに、どうしてもこの脚だけはガン見してしまう。

仕方ない。こればかりは魅惑の脚が悪い。

 

 

そんなこんなで、私1人複雑な心境を抱えつつ、6人への愛が積もったところでイベントはフィナーレを迎える。

 

入場時はステージから登場した6人だが、MCさんから退場は客席の間の花道を通ってくれるというアナウンスがあり、会場が沸いた

 

 

 

V6が近くに来てくれる。

 

 

 

本当に近いところをV6が手を振りながらゆっくり歩いてくる。

 

 

ファンは思い思いに歓声を上げ、推しの名を叫んでいた。

 

 

6人が近くに来た時、私も岡田担(?)として控えめながら「岡田くん」と叫んだが、ここでまさかのことが起こった。

 

 

 

 

隣の母が

 

坂本くーーーん!!!!

 

デッカい声で叫んだのだ。

 

 

 

 

それはもう周囲のファンも振り返るほどの大声だった。

 

 

私達のいる方と反対側の客席を見ていた坂本くんが、ビックリしたようにこちらを振り返り、苦笑しながら手を振ってくれたのだ。

 

 

それを目にした母と、周囲のファンは大いに沸いた。

 

私も頭が真っ白になり、悲鳴のように叫んだ。と思う。

 

 

突然の出来事に呆然としたまま、退場していく6人を見送った。

 

 

 

 

アナウンスに従って帰宅する最中、「いやー、坂本くんはあんなにカッコよかったか〜」と満足そうに話す母に、「そうだね」と上の空で相槌を打つことしかできなかった。

 

既に私の頭は、(母に)ファンサしてくれた坂本くんの姿が焼き付き、悶々としていたのだ。

 

 

 

 

 

私が観念して坂本担を名乗るのは、ここから4ヶ月後のことであった。

 

 

コンサート会場での邂逅

2015年10月31日。

V6が20周年を迎える前日。

私にとって、人生初のコンサートがこの日だった。

初めてで1人で行く勇気がなく、すがる思いでアラシックの友人を巻き添えにし共に参戦してもらった。

当日限定のハロウィン仕様の演出など気付けるはずもなかった。

ただただ、6人のパフォーマンスに圧倒された。

目の前のV6に夢中だった。

 

 

2021年10月24日。

V6が26周年を迎えるまで、あと8日と迫ったこの日。

私がV6に会えた最後の日。

6人の姿を目に焼き付けようと必死だった。

6人からのメッセージを受け取ろうと、私からの愛を伝えようと必死だった。

V6から受け取った愛はあまりにも温かくて、声を出せない代わりに精一杯の拍手を送った。

V6と出会ってからずっと、私はV6に夢中だ。